われらは大地のもの

文:岡 田 淳


パチパチと音をたてて燃える焚き火、谷間にひびく沢の音。


日常から離れ、自然の中で削ぎ落とされた時間に身を委ねると、安らぎと共に自分の中に野生の鼓動を感じることができる。心と身体を開き、大きな自然に包まれて人が素直になった時、人は周りの自然とつながり、今を生かされている自分を感じることができる。


27年前、自然や環境のことを学びに渡ったアメリカでは、荒野を旅する中でネイティブ・アメリカンの生きる知恵と技術に出会った。


彼らはこの地球を母なる大地と呼ぶ。「サバイバル」とは戦うことではなく、調和と共生の道であり、すべては謙虚に祈ること、すなわち彼らが『グレイト・スピリット』と呼ぶ創造主の声を聞くことから始まる。


彼らはいう。私たちをとりまくすべてのものは命をもち、すべてはつながったひとつのものであると。大地に生かされているのは人だけではない。鳥や獣、草木や石も、太古から命をつないできた兄弟であり、長老たちでもあると。川を流れる水は祖父母のそのまた祖父母の血。そして、大地はわれらのものではなく、われらが大地のものであると。


学問の世界も含め、まるでそれを進化と勘違いしているかのように、すべてを分断し細分化してきた現代社会。しかしその結果すべてが複雑になり、難しいと感じることが増えてきた。


今、私たちがほんとうにしなければならないのは、あらゆるものを統合し繋げてゆくことにあると、自然は教えてくれている。


「婦人之友」(婦人之友社)2006,1 掲載の原文
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